インプラントは医療費控除の対象?
国税庁の考え方と戻る額の目安

インプラントのように健康保険がきかない歯の治療は、費用が数十万円になることもあります。医療費控除の対象になるのかを、国税庁が公表している考え方から整理しました。

このページの要点
  1. 国税庁は「インプラント」という名前を挙げて可否を示してはいません(2026年10月27日時点で確認できた範囲)。
  2. 判断の軸は2つです。治療のためか、見た目を整えるためか。そして一般的な水準を著しく超えないか。
  3. 健康保険がきかないことだけを理由に、対象外になるわけではありません。
  4. 個別の治療が対象になるかは、このページでは判定しません。迷う場合は税務署に確認してください。

国税庁が示している考え方

1. 歯科医師による治療の対価は対象

医療費控除の対象になるのは、医師や歯科医師による診療・治療の対価のうち、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分です(タックスアンサー No.1122)。義歯も、診療・治療に直接必要なものとして対象の例に挙げられています。

2. 保険がきかない材料でも、一般的に使われていれば対象

国税庁の質疑応答事例「金やポーセレンを使用した歯の治療費」では、健康保険の適用がない材料を使った治療について、次の考え方が示されています。

歯の治療のために一般的に使用されている材料を使用するのであれば、(中略)治療費が高額となる場合であっても、その費用は、医療費控除の対象となります。

そのうえで、金やポーセレンは「一般的に使用されている現状にある」として、対象になると回答しています。根拠は所得税法施行令第207条と所得税基本通達73-3です。

3. 見た目を整えるための費用は対象外

タックスアンサー No.1128 は、容ぼうを美化するための費用は対象にならないとしています。歯列矯正についての質疑応答事例でも、将来の就職や結婚を考えて歯並びを整える費用は「容姿を美化し又は容貌を変えるため」として対象外とされています。

インプラントに当てはめると

上の考え方からは、インプラントの費用が対象になるかどうかは、名前ではなくその治療が何のためかと費用が一般的な水準かで決まることになります。失った歯の機能を取り戻すための治療なのか、見た目を整えるためなのかは、治療の内容によって違います。

このページは一般的な制度の説明です。あなたの治療が対象になるかを判定するものではありません。治療を受けた歯科医院の領収書や治療の説明書をそろえて、税務署にご確認ください。

いくら軽くなるか(計算例)

医療費控除の対象になった場合に、税金がいくら軽くなるかの例です。会社員で、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が436万円、「所得控除の額の合計額」が150万円の人を想定しています。

1年間に払った医療費40万円80万円
医療費控除の額30万円70万円
所得税の戻り30,600円71,500円
住民税の軽減30,000円70,000円
合計60,600円141,500円

所得税は復興特別所得税を含み100円未満切り捨て。住民税は医療費控除の額×10%の目安です。金額は計算の例で、実際の治療費の相場を示すものではありません。

自分の数字で計算する

払い方で気をつけること

出典と基準日

内容の確認日:2026年10月27日。質疑応答事例は、国税庁が「照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答」と注記しています。

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