歯列矯正は医療費控除の対象?
子ども・大人の考え方と戻る額の目安

歯列矯正は数十万円から100万円を超えることもある治療です。医療費控除の対象になるのかを、国税庁が公表している考え方から整理しました。

このページの要点
  1. 国税庁は、矯正が対象になるかを年齢や矯正の目的などからみて必要と認められるかで分けています。
  2. 発育段階にある子どもの成長を妨げないための不正咬合の矯正は、対象の例として示されています。
  3. 見た目を整えるため(容姿を美化し、容ぼうを変えるため)の矯正は対象外です。
  4. 大人の矯正だから対象外、という書き方はされていません。目的によって分かれます。個別の判定はこのページでは行いません。

国税庁が示している考え方

1. 必要と認められる矯正は対象

国税庁の質疑応答事例「歯列を矯正するための費用」は、次のように説明しています。

歯列矯正を受ける者の年齢や矯正の目的などからみて社会通念上歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象となります

その例として挙げられているのが、「発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正」です。タックスアンサー No.1128 も、成長段階にある子どもの不正咬合の矯正など、歯列矯正が必要と認められる場合の費用は対象になるとしています。

2. 見た目を整えるための矯正は対象外

所得税基本通達73-4は、「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用」は医療費に当たらないとしています。上の質疑応答事例では、将来の就職や結婚を考えて歯並びを整える費用について、一般的に容姿を美化し又は容貌を変えるためのものと認められるとして、対象外と回答しています。

3. 子どもと大人で考え方は同じ

国税庁の説明は「年齢や矯正の目的などからみて」必要かどうか、という形です。子どもの例が挙げられていますが、大人の矯正を一律に対象外とする書き方はされていません。大人の矯正が対象になるかは、その矯正が何のためのものかで分かれることになります。

このページは一般的な制度の説明です。あなたの矯正が対象になるかを判定するものではありません。治療の目的がわかる書類(歯科医院の治療計画や説明書など)と領収書をそろえて、税務署にご確認ください。

いくら軽くなるか(計算例)

医療費控除の対象になった場合の例です。会社員で、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が436万円、「所得控除の額の合計額」が150万円、ほかに医療費は無いものとしています。

80万円を1年で払った場合と、2年に分けて払った場合

払い方1年で80万円2年で40万円ずつ
足切り額(10万円)1回2回(各年)
医療費控除の額70万円30万円×2年
所得税の戻り71,500円30,600円×2年
住民税の軽減70,000円30,000円×2年
合計141,500円121,200円

所得税は復興特別所得税を含み100円未満切り捨て。住民税は医療費控除の額×10%の目安です。2年に分けた場合は、2年とも所得が同じと仮定しています。金額は計算の例で、矯正費用の相場を示すものではありません。

医療費控除は「その年中に実際に支払った医療費」が対象で、毎年10万円(総所得金額等が200万円未満の人は所得の5%)が差し引かれます。そのため計算上は、同じ金額でも年をまたいで分かれると、差し引かれる回数が増えます。どの年にどれだけ払うかは、治療の都合や家計の事情と合わせて、ご自身で判断してください。

自分の数字で計算する

払い方で気をつけること

出典と基準日

内容の確認日:2026年10月27日。質疑応答事例は、国税庁が「照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答」と注記しています。

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